「ハピバ!」


  これって、「ハッピーバースデー = 誕生日おめでとう」ってことですよね。
  私、間違えてないですよね。常識ですよね。
  なら、なら・・・!この扱いはなんでしょうか。












  +甘い甘い誕生日を☆+











  「、お前誕生日だろ?ハピバー。」
  「あ、ありがとう!え、えっと・・・。」


  放課後。そう言って、丸井ブン太は私に大量のお菓子を渡しました。
  ・・・ヒモで繋がれたお菓子を。





  「、これやるぜよ。」
  「お誕生日おめでとうございます。」
  「あ、ありがとー。んー?」


  そう言って、仁王雅治は私の右手の指に赤いリボンを巻きつけました。
  柳生比呂士は私の左手の指にピンクのリボンを巻きつけました。
  不自然に優しく結び付けてくれたので、指輪のように思われて外す事ができません。





  「、これをやろう。」
  「あ、ありがとう・・・。」


  そう言って、柳蓮二は私に生クリームをくれました。
  しかも、チューブ入り。美味しそう・・・でも、「今は食べるな」だって。







  そして、今。私はテニス部の部室にいます。


  「、今日が誕生日らしいな。めでたいことだ。」
  「、誕生日のお祝いしてあげるからおいで。」


  真田弦一郎と幸村精市が言ったからです。
  黒い笑顔で幸村に「スカートは短くしておきな?」と言われました。
  なので、スカートはちょっと短めです。


  「、今なら食べてもいいってよ。」
  「え、ほんと?あ、ありがとー。」


  ジャッカル桑原が、柳に言われたのだかは知らないけど、
  生クリームを食べさせてくれるらしいので、指につけてもらっております。
  生クリームは美味しいんだけど、この扱いはなんだろう。
  私の大好きな赤也だって来てくれないし。


  「ねえ、幸村」
  「。俺たちに誕生日のプレゼントをあげようと思ったんだ。」
  「う、うん。」


  私の声を遮っての、無言の重圧。怖い!
  実況中継をするのならば、真田も珍しく怯えております。ジャッカルは見ないフリ。


  「でも、俺たち、女のが欲しい物なんてわからなかったんだよね。」
  「えー?あ、はい。」


  幸村って妹いるじゃん!他の人だって姉とかいるじゃん!と言いたかったけど、
  幸村の笑顔が怖いので、下手な抵抗はしないでおく。


  「だから、手っ取り早く、好きなものを与えることにしたんだ。」
  「好きなもの?」


  そんな笑みで笑うな!だから黒いって言われるんだよ!
  しかも与えるって何!?上から目線!?
  真田も、なんとかしてよ!なんでこんな悪ふざけやってるの!幸村の命令だから?
  そんなことを考えていると、外が騒がしい音がした。


  「あ、来たみたいだね。」
  「そう、だな・・・。」
  「じゃあ、俺たち行くから。後はゆっくりしててよ。ジャッカル、行こう。」
  「お、おう。」


  そう言うと、幸村はジャージをなびかせて、真田は後に続き、
  ジャッカルも、私に生クリームをあげていた手を止めて、出て行った。


  「連れてきたぜよー。」
  「少々時間がかかりましたが・・・。」
  「何なんスか!」
  「おかえり、入れてもいいよ。」
  「は、だから何!?」
  「観念しろ、赤也。」
  「幸村の・・・命令だしな。」


  そして、一連の会話。聞き覚えのある声。部室の扉が開き、


  「たっく、何なんだ・・・って先輩!?」


  そう、そこには私の大好きな切原赤也君がいました。


  「あ、赤也、君・・・!」
  「な、何やってるんスか!そんな格好で!」
  「わ、私にもよくわからなくて、」


  赤也君が私に近づくと、幸村君がひょい、と扉から顔を出しました。


  「赤也。」
  「部長!」
  「それ、あげるから。好きにするといいよ。」
  「はああ!?」
  「何、それ!」


  幸村、何言ってるの!?ってかその発言は何!?
  なんでそんな楽しそうな笑顔なの!?


  「。」
  「な、何!」
  「それ、あげるから。ありがたく受け取って。誕生日おめでとう。」
  「えええー!」


  そう言って、扉を閉める幸村。
  え、何!?もしかして誕生日プレゼントって赤也君ってことですか!
  そうこうするうちに、部室に残されたのは、もちろん私と赤也君。


  「えっと、先輩・・・今日、誕生日ですよね。」
  「う、うん。」
  「俺、今日は先輩におめでとーって言おうと思って、探してたんスよ。」
  「うん。」


  私だって、一応は探してたんだよ!赤也君から『おめでとう』をもらうために!


  「で、俺、なんか・・・先輩への誕生日プレゼント・・・らしいじゃないですか。」
  「う、うん。」


  幸村・・・なんてことを言い残して行ってくれたんだ!
  私が、赤也君を好きだって・・・ばれた様なものじゃないですか。
  誕生日なのに、私の扱いって!!!ってかこの格好!
  赤也君だって、絶対ひいてるよ。もう泣きたい。この場で事実を消滅したい。
  ん?赤也君の顔が赤い・・・?


  「俺の事、もらってくれません?」


  い、今・・・!何と言いましたか!この可愛い子は!
  『俺の事、もらってくれません?』だよね?間違ってないよね!
  もちろん!いつでもどこでもいただきますよ!


  「こ、え、こ、この」
  「はい?」
  「こんな、格好で、よ、よければ!」


  あー、どもった!しかも噛んだ!
  これもどれも、変な格好をさせたテニス部のせいだ!
  あ、でもテニス部には感謝しなくちゃいけないのかなあ。それ微妙!


  「じゃあ、」
  「はい?」


  え、え? この体制はなんでしょうか。
  私、赤也君に、押し倒されてる!?
  何で!? 私、誕生日だから、赤也君をもらえるんだよね?


  「え、ちょ、赤也君!?」
  「先輩、ありがたくいただきますね。」
  「え、ちょ、ちょっと!?」


  手のクリームを舐められて、頬にキスされて、顔が沸騰しそうなくらい赤くなる私。
  本当は、赤也君を押し倒して、逃げたいくらいなんだけど。でも、でも!


  「俺のこと、もらってくれるんでしょ? 誕生日おめでとーございます。」


  挑戦的な目つきで、そんな色気のある声で、そんなこと言われると・・・。
  逃げられません。神様、助けて!











  +END+












  ☆2007年7月23日作成
   花芽様、誕生日おめでとうございます!当日完成ですが許してください。
   花芽様の得意分野であるギャグで行きたかったのですが・・・無理でした。
   自分の好きな甘くてエロに走ることに(汗)
   よろしければもらってやってください。できれば返品不可で。









雛華さんから誕生日祝に頂きました!!
立海メンツひとりひとりの行動がときめきすぎて胸キュンです。
得意分野であるギャグに・・・とおっしゃってますが、あたしギャグ得意じゃないですよ^^(言っちゃった)
ジャンル分けが定かではないぐだぐだしたものが得意ですb
家宝です!!本当にありがとうございました!!