「ー。ドリンク持ってきてー!!」
「はーい。岳人ちょっと待ってて!!」
「俺様が試合終わったのにタオルも渡さないのか。あーん?」
「目の前にあるでしょ!?そんくらい自分で取ってよ!!あたし忙しいんだから!!」
「お前の仕事が遅いのが原因だろ。いいからタオルとれ。」
「あたし1人にどれだけ仕事押し付けてるか分かった上での発言だよね?あー、もうあんたと話してる暇すらないからちょっとどいて!!」
「チッ。」
わざとあたしに聞こえるように舌打ちした跡部の前を、あたしは洗濯籠を抱えて走っていく。
今日は練習試合です。
マネはあたし1人だけなのに、仕事量はありえないくらい多いので、必然的にあたしは走り回ることに。
にも関わらず、相変わらず跡部は傲慢です。
まぁ傲慢じゃなきゃ跡部じゃないけどさ。
でも今はそんなこと言ってる場合じゃないくらい忙しくてムカつく。少しは謙虚になれっつーの!!
春桜の陣。
「おぅ。」
「何?ドリンク?タオル?」
「随分とかっかしとるなぁ。」
「だから何!?喧嘩売ってるんなら、今は買わないから無駄よ。」
「つまらんなぁ。からかってやろう思うたのに。」
「・・・もう行くからね。」
「あーちょっと待てや!!」
「これ以上無駄口叩いたら、今日あんたに何もしないわよ。」
「今日の跡部、どう思う?」
「跡部?じっくり試合見てないから、よく分かんない。」
「お前それでもマネージャーか!?信じられへんわ。」
「だったら少しくらい仕事手伝ってよね!?」
「ほな仕事手伝ったら、跡部の試合見るんか?」
「それは・・・ほら、休憩とかするかもしれないけど。で、跡部が何なの?」
「さっき跡部の試合見とったんやけど、あいついつもとちゃうねん。」
「調子悪いってこと?」
「それやったらまだええんやけどな・・・。」
「調子いいってこと?じゃあ別にいいじゃない。」
「ていうかなぁ・・・。」
「はっきりしてくれない!?忙しいって言ってんでしょ!?」
「相手をいたぶっとんねん。」
「は?」
「相手を執拗に振り回したりしとるで。」
「・・・機嫌悪いってこと?」
「さぁな。せやけど、何かいつもの跡部のプレイとちゃうねんなぁ。」
「新技試したい年頃なんじゃない?」
「新技も何も無いようなプレイやったで?」
「うーん・・・。そういえば、今日はまだ跡部の高笑い聞いてない。」
「せやろ?やっぱどっかおかしいんちゃう?」
「そうかなぁ。ちょっと見たいけど、そんな時間なさそうだし。」
「直接跡部と話してきたらどうや。お前はウチのマネージャーなんやし、跡部といつも喧嘩しとるから会話の中で些細な変化とかに気付いたりするんちゃう?」
「キレだすと思うよ?」
「キレへんて。寧ろが気付かへんほうが、マネージャーとしての自覚が足りんとか怒られる思うで。」
「ー!!ドリンクまだかよー!!」
「あーはいはい!!
ありがと忍足。跡部見かけたら、ちょっと話してみるね。」
「おう、頑張れよ。」
あたしは岳人にドリンクを渡すため、忍足と別れた。
跡部がいつもと違うってどういうことなんだろうなぁ。
調子悪いとかじゃなきゃいいけど。
機嫌悪いとかじゃなきゃもっといいけど。
あたしは跡部の試合見てないから、何も分かんない。
でもあたしよりテニスに詳しい忍足が、跡部の試合を見ていつもと違うって感じたんなら、やっぱり何か違うと思うんだ。
もしあれなら監督にも話さなきゃいけないしなぁ。
うーん・・・。
岳人にドリンクを渡して、洗濯機を回そうと部室に向かう途中で、壁によりかかって試合を見ていた跡部が目に入った。
話聞くんならやっぱり今のうちだよなぁ・・・。
もし忍足の勘違いだとしてもそれはそれで別に構わないし、こういうもやもやするようなことは早めに済ませちゃったほうがいいしね。
思いたったら吉日ってやつだ、うん。
ちょっと違うかもしれないけど、とりあえずアクションを起こさなきゃ何も始まらない。
あたしは跡部に声をかけた。
「跡部ー!!」
「何だよ。今更ドリンク渡す気か?何もかも遅いんだよ馬鹿。」
「憎まれ口しか叩けないように出来てるんですかお前は。」
「ぁあ?何か言ったか?」
「言ってませんー。空耳ですぅ。」
「頭悪い喋り方してんじゃねーよ。」
「頭悪いのはどっちよ。・・・って喧嘩してる場合じゃなかった。」
「ハッ。で?」
「は?」
「は?じゃねーよ。本当お前頭悪ぃな!!用事があんだろ?」
「あーそうそう用事!!・・・不本意だけど、ちょっとごめんね。本当不本意だけど。」
やりたくてやってるわけじゃないんですよーってことを盛大にアピールして、あたしは跡部の額に手を当てる。
「バッ、おい!!何触ってんだよ!!!」
バチンという大きな音を立てて、あたしの手は振り払われる。
振り払われるっていうか思いっきり叩かれました。
「熱はないね。」
「んなもんあってたまるか。だから何なんだよ。」
「ちょっと失礼。超絶不本意だけど。」
そしてまたあたしは跡部に向けて手を出す。
今度はさっきよりも強く、早く、手を払われました。
「・・・だから何なんだよ!!いきなり俺様の鼻触るとはどういう了見だ。あーん?」
「鼻も湿ってないね。体調は悪くないかぁ。」
「・・・俺様を犬扱いか。ほぅ・・・いい度胸してんじゃねーか。てめぇ・・・覚悟は出来てるんだろーな!?」
「え、ちょ、何で跡部キレてんの!?」
「跡部ー!!」
「忍足!!ちょ、助けて!!何か跡部が怒りだしたんだけど!!」
「跡部ー!!この前が、跡部のシューズの上に重い荷物落として形崩しとったで!!」
「お、お、忍足・・・!!ちょ、あんた!!!あ、ちょっと!!逃げんじゃないわよ!!」
逃げる忍足を追い掛けようとしたら、目の前に立ちはだかるご尊顔。
「あ、跡部・・・?さっきあたしの後ろにいなかった?」
「ほぅ・・・。このシューズがいきなり履き心地悪くなったと思ったらそういうことかよ。」
「え・・・そ、それは真実であって真実じゃないっていうか・・・ね?」
「確かお前、俺が問い詰めたら、あたしじゃないと誓えるって言ってたよな?」
「い、言いましたっけ・・・?あ、関節ボキボキ鳴らすと指太くなりますよー?」
「てめぇ!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
「岳人・・・。跡部の試合見た?」
「見たぜ。つーかお前ぼろぼろじゃねーかよ!!」
「いつもとプレイが違かったって本当?」
「誰が言ったんだそんなこと?恐ろしいくらいにいつも通りの最強な跡部だったぜ。お前・・・顔が死人みたいだからこっち向くな!!」
「忍足・・・!!」
「随分と派手にやられとったな。」
「あんた、あれ嘘だったのね!?」
「いやー、最近跡部との大喧嘩見とらんかったやろ?せやから、わざと適当なこと言って跡部とを2人きりにさせて、そこで俺がこの前のこと話せば跡部がキレて殴りあいに発展すると思うてん。
お前ら喧嘩でコミュニケーション取っとるようなもんやん?やっぱ部長とマネージャーがコミュニケーション取り合わな、ええ部活にならへんからな。忍足侑士プレゼンツの粋な計らいや。」
「磔刑に処す。」
既に満身創痍状態のによって、氷帝に血の雨が降ったとか降っていないとか。
エイプリルフールのお遊びに付き合って頂いたお詫びとして、即興で書いた夢をUPしました・・・!!
製作時間2時間にも満たないとかいう適当すぎるブツ二重に申し訳ない・・・!!
これでも頑張ったので、怒らないでください。いや、本当切実に・・・!!
こんなアホな管理人ですが、これからも宜しくお願いします。
9月24日再UP。
その節はすいませんでした(珍しく素直!)