《心からの気持ちを込めて》
4月20日━━。
今日は俺にとって特別な日━━。
待ちに待った俺の誕生日━━。
「ブン太。これもらって!!Happy birthdayvvv」
「どぉも。」
「ブン太!!は〜いvプレゼントだよぉv。」
「サンキュ。」
「ブン太〜。は〜いvvv・・・・」━━━━━
今日は俺の誕生日とあって、いつに増して女どもが煩い。
まぁ、俺的には食いもんがいつもより増えるから、凄く嬉しいわけでもあるけ
ど、
やっぱ、こういうのは“お決まり”ってやつで、誕生日に増えるのは“プレゼントの量”だけじゃなくて、俺に告白する奴等も増えるわけだ。
俺にとっては、まじいい迷惑なんだよなぁ。
「放課後、裏庭でまってます。 △年△組 ○○◇◇」
っていう感じのラブレターが、俺のロッカーやら靴箱やら机の中やらを占領している。
まじ....うぜぇ━━━。
毎年、プレゼントをガッポガッポもらえる誕生日。去年までは凄く嬉しかったし、楽しみだったんだけどなぁ.....。
俺が今年、自分の誕生日であるのにもかかわらず、機嫌があまりよくないのには理由がある。
〜それは今朝の出来事〜
「おーぉー。ブン太ちゃんは今年もモテモテですこと〜。」
女の取り巻きに囲まれながら廊下を歩いていると、俺のクラスメイトで、女の中でも仲がいいがいた。
━━━━━━理由は、こいつ!!そうだ!!こいつ、が全ての原因なんだ!! ←Byブン太、心の声━━━━━
「おぉ〜。!!はいっっ!」
「何よこの手....」
「だぁかぁら〜。今日何の日!?」
「あ━━━...確か丸井デブン太の誕生日。」
「デ、デブン太!?!?!?ひどっ。....まぁ、いいや。はい。菓子くれ!!菓子!!」
この間、が誕生日にプレゼントくれるって約束をしたのを覚えていたので、俺は彼女めがけて手のひらを上に向けて突き出した。
「.......。」
「ぅぉぃっ、??」
「....。なんで私があんたなんかにわざわざお菓子作んなきゃいけないわけぇっ!?」
ち━━━━ん。
ないの....??あり...えないだろぃ...?━━━
はどことなく怒りオーラを出していて、それだけ言うと、くるりときびすを返し、どこかに去っていった。
それからだ。
俺の中のご機嫌メーターが急激にdownしたのは。
気がつくともう昼休みになっていた。
相変わらず俺を尋ねてくる女の数は減らなくて、本当はもらって嬉しいはずのお菓子も、今日はなんだか嬉しくなくて━━━━。
「なんなんだょ.....(ボソッ)」
スッゲェイライラして、なんかモヤモヤする━━━。
俺は俺にプレゼントを持ってきた女どもを無視して屋上に向かった。
何だよっ!!何だよっ!!何なんだよッッッ.....!!何でこんなにイライラするんだよっ!!
今まで感じたことのない感情に俺の頭を占領されて、さっきから原因不明の“イライラ”でいっぱいいっぱいな俺の頭。
『何で私があんたにわざわざ菓子作んなきゃいけないわけぇっ!?』
ただただ、の言葉が頭の中でリフレインしていた。
思い出すたび、何かが俺の中で音を立てて崩れていくのが分かった....。
「も....、もしかして.....。俺.....の事....す....好き......なの.....??」
ふと持ち上がった自分への疑問━━━━。
「い....!!いや!!まさか!!俺がの事すすす、好きだなんてありえないだろぃ!!」
「ほぉ....?その自信はどこから来るんかのぉ?」
「ゲッッ!!仁王!?おまっ!!何でここにっ!?」
「シッッ!静かにしんしゃい!!」
「うぐっ!!!」
俺の口は仁王の手によって塞がれた。
「ほひふんはひょ!!(何すんだよ!!)」
「俺はずっと此処にいたけぇ、お前さんが気づかなかっただけじゃ。
それよりもブン太。お前さんんこと気になんのか?」
「ぶぐ!!ばんべぼーばぶんばっ!!(ぶふっ!!何でそーなるんだ!!)」
「お前さん、さっき思いっきり口に出して、『好きなのか?』とか自問自答してたじゃろうが...。
まっ。どっちにしろ、面白いもんが見れるけぇー。此処からちょぃと覗いてみんしゃい。」
「っっっっハァ!!苦しいんだよ!!この詐欺師め!!....何が見えんだよ....
ったく。」
少しあいたドアの隙間から、仁王が指差した屋上を覗いた。
「ぇっ.....ぁれって....。」
「お前が気にしとるじゃ。クックッ。は随分と仲がいいんじゃのぉ......
赤也とっ!!!!」
そこに見たのは、仲むつまじくお互い向き合って座って話している赤也と、
............って!!!!ぁッッッ!?!?!?!?
あいつ......、赤也と付き合ってたのかっっっ!?!?!?
「ククッ。ブン太、気分はどうじゃ?何か、感じるじゃろ?」
「えぇっ!?あっ!?ハ!?ななななな何がっ!?ななななな何も、かかか感じねぇってっ!!あぁぁあああいつら付き合ってたんだ....な。」
「ブン太よ、ドモリまくりぜょ?ククッ。はよぅ認めんしゃい。」
「みっ、みっ、認めるって、何を!?!?!?」
一体俺は何を認めろというのか。
仁王の言葉の意味がわからないでいた。
「ククククッ。さぁのぅ....。それは自分で気づかなくちゃいけないけぇ....言えないのぅ。.....強いて言うなら....
ブン太ょ、お前のココ、今どうなっとる?」
そう言って仁王は自分の胸をポンポンと叩いてみせた。
「ん〜〜〜。...すげぇドキドキしてて〜〜.......なんか.....痛いかも...?」
「痛い....か。ブン太。それがお前の気持ちぜよ。」
「ハアァ!?仁王、俺お前の言ってる意味、全ッッッ然っ分かんねぇ!!!!」
「ハァ.....。本当に鈍いのぅ。じゃぁ聞くが、お前さんはあれ見てて楽しいんか?嬉しいんか?それとも....悲しい?腹立たしい?正直に言ってみんしゃい。」
そう言って仁王はまた赤也たちを指差した。
「.....ん〜〜。.....正直にぃ?
結構..........ショックかも。」
「何でじゃ??」
「だってょだってょ、はズット俺と仲良しだったし.....
赤也のことなんて一言もあいつの口からきた事ねぇしぃ.....
あいつは俺の側で、ズット笑っててくれると思ってたし.........
って............あ、あれっ....?」
な、何だこの気持ち。のことを考える度、凄く胸が苦しくなった。
「お.....俺....。」
「やっと気づいたようじゃのぅ。....ブン太、お前さんが今感じてるんは、“嫉妬”じゃ。
ついでにゆうておくが、何故お前さんが“嫉妬”してるかっちゅーと、それはお前が......
のこと好きだからじゃ。」
「お....俺が、き.....を??」
仁王の言葉で、俺の中のモヤモヤが何だか吹っ切れたような気がした。
そうか.....。
俺、の事........
好きだったんだ.......。
でも、気づいた途端、失恋かょ!!!!
「クククッ。全く......、お前さんはホンマお鈍チンじゃのぉ。」
「うっ、うるせぇぞぃ。で、でも......ありがとな、仁王!!!!お前のお陰で俺、わかったぜぃ!!俺!!が好きだっっっ!!!」
「そぉか....それは良かったのぉ.....。
のぅ...?。」
「ハアアアァァァッッッッ!?!?!?!」
仁王が視線を向けたほうへ振り返って見ると、いつの間にココに来たのか、そこには顔を赤くしたと赤也がいた。
っっって..........!!!!!!!!
えぇぇぇぇぇッッッッッ!?!?!?!?!?
「ににににににににににに仁王!?!?!?!?」
「おぅおぅ。顔真っ赤ぜよ??ブン太。......じゃぁ、ココは若いお二人さんに任せて.......いくぜょ、赤也。」
仁王.......お前はどっかのお見合いババァか。
「ちょっ!!!!痛いっすよ!!仁王先輩!!!!!」
「もぉいいじゃろ。お前ちゃんと英語教えてもらえたんじゃろ??」
「っス。先輩サンキューでしたぁ〜!!って!!痛いっスょ、仁王先輩!!!!」
.....へ??赤也はに.....英語教わってただけ...??
「.....あ。言い忘れとった。も、自分の気持ちに素直になりんしゃい。ブン太にヤキモチ妬いて、せっかく作った菓子渡さん気じゃろ。」
「なっ!!雅ちゃん!!!!」
「ブン太が拗ねてて可哀想じゃけぇ、渡してやりんしゃい。」
に向かってそれだけ言うと、仁王は赤也を引っ張って階段を降りていった
━━沈黙が続く━━━
................き、気まずい。
ってか、こいつ仁王のさっきの言い草だと、菓子もってんのか??ふと持ち上がった疑問と、この沈黙>に耐え切れなくなった俺は、意を決して聞いてみた。
「なぁ.....
お前、菓子作ってくれたの......?」
そう言っての顔を覗き込む。すると、は顔を真っ赤にしながら、コクンと頷いた。
━━━やべぇ........かわいいかも━━━━
「なんで......くれなかったんだょ??」
「だ、だって.....ブン太カワイイ子からいっぱいいっぱいお菓子もらってるんぢゃんっ。どーせあたしの不味いケーキなんて、いらないでしょ!!」
そう言うの目には、涙がたまっていた。
...........やべぇって。
......その顔は、反則だろぃ..........。
...............俺、お前のだから欲しかったんだけどなぁ。
.............今思うと、俺って、かなりこいつにベタ惚れしていたらしい。
もし、究極の決断を迫られたら
俺が大好きなお菓子よりも、を選ぶだろう。
今なら、自分に素直になれそうだ。
伝えよう........
今、伝えなくちゃ。
俺はそっと立ち上がると、を抱きしめる。
「えっっっっ!?!?!?ぶぶぶぶブン太!?!?」
の匂いがした......
...あったけぇ。
今なら、君に伝えられるよ。
今なら言える。
本当に、心からの思いを込めて.......━━━
「好きだぜぃ。........。」
fin
*おまけ*
「はぃ、ケーキ....」
「やっほぃ!!!サンキューな!!頂きま〜〜〜す!!!」
「マジで不味いからねっ!!」
「.......。」
「ぇ??何??どうしたのブン太??」
「なぃ.....!」
「ぇ???」
「ケーキがなぁぁぁいっ!!!」
「う、嘘!?!?」
「マジだって!!!でも食べた形跡はぁるんだけど....。誰だ!!俺のケーキ食ったのは!?!?」
「せっかく作ったのにぃ〜...」
キィ。
不意にドアがあいたから、二人してそっちに顔を向けると........
幸村が....ぃた。
何故!?!?!?
「ぁっ、ブン太!!ごめんね。ちゃんのケーキ食べたの、僕。(激スマイル)」
幸村が黒いオーラを放っていたので、俺は幸村を責めることができなかった....(泣)
でもその後で、落ち込んでいた俺にが
「今度からは、毎日作ってきてあげるから」と約束してくれたから.....結果、オーライ....???
にしても....いつから幸村は屋上にいたんだょ.....。
謎は深まるばかりだった(笑)
天馬からもらったブン太誕生日夢を、しっかりと4月20日にUP(笑)
ブン太愛がひしひし伝わってきますv
ありがとねー!!!