、早く行こ!!」

「あーハイハイ。」


前者―友人
後者―あたし

勘の良い人・・・でもこれだけじゃ分からないか。








異常気象と異常なハート








が可愛すぎるからだよv」

「もう、青山くんったらv」



・・・これなら大方の人が理解出来ただろうか。
そう。あたしの友人と、青山・・・何だっけ?
・・・青山勇(仮名)は、校内でも有名なバカップル。
あたしとは小等部からの親友で、同じバド部に所属している。

そして、青山勇(仮名)はというと、氷帝ホスト部と名高いあのテニス部に所属している。(もちろん準レギュにも入れてないんだけど、にそれを言うと尋常じゃないほど黒い笑みで手招きされたからあまり大きな声では言えない。)

2人はほぼ毎日一緒に帰っている。
待ち合わせはテニスコートだそうで、あたしはいつもそれに狩り出される。
テニスコート位1人で行けばいいとあたしは思うけど、それは曰く『恥ずかしい』そうだ。
2人でイチャイチャしてるほうがよっぽど恥ずかしいんじゃ・・・というのはあたしの心の叫び。


「お前も毎日大変だな。」


無事にを青山勇(仮名)の所まで送り届けたあたしの後ろに立っていたのはクラスメイトの宍戸だった。

「毎日毎日よくもあんなにイチャイチャできるよね。」

あたしが溜め息まじりにそう呟くと、宍戸は苦笑した。
その後、明日の時間割変更という同クラス感がプンプン漂う話題をした後、あたし達は笑顔で別れた。


















ーv」

「え…今日は風強いよ?」

まだ9月というのに窓の外は木枯らしが吹き荒れている。
冬のそれに較べると幾分もマシなんだろうけど、やっぱりキツイものはキツイ。


「あたしと青山くんの間に障害なんて無いのよ!!後で駅前のチョコバナナパフェ奢るから、ね?」

「・・・しょうがないな。」

「ありがとーvだから大好き!!」

が好きなのは青山くんでしょ?」


と、軽く笑ってあたしは席を立った。




















「あっ!!もう青山くんったら人前だよ!!」

「だって寒いんだもんv」

「もぉーv」


・・・その寒い中1人で立ってるあたしって何なんでしょう。
木枯らしが目に染みる。

実はあたし、アレルギー持ちで目が弱い。
その為木枯らしがビュービュー音を立てて吹き荒れているこの場所にこうして立っていることは、あたしの目にとって自殺行為に等しい。
当然の如くあたしの目は悲鳴をあげている。
真っ赤になってるのなんて鏡を見なくたって分かる。
―ウイルスと戦ってくれてるのね・・・。
負けると分かっていてもウイルスとの戦いに挑む勇敢な目にすっかり敬服したあたしは、そろそろ一方的な試合を止めさせてやろう、家路に着こうとくるりと方向転換しようとしたその時、ファサッとあたしの頭に何かがかけられた。


「え・・・?」

「お前の泣き顔は見たくない。」


頭の上のタオルを取り、見上げると、そこには真剣な眼差しであたしを見つめる宍戸の姿があった。


「す、好きな奴の泣き顔見たくないってのは男の性だろ。」


あたしと目があうと、顔を赤くして目を反らし、宍戸はそう言った。


「宍戸・・・。」

「何で泣いてるのかは分かんねーけど、俺ならを泣かせたりしない。」


そう言うと、ぎこちない手付きであたしの背中に手を回した。



「・・・アレルギー。」

「え?」

「だから・・・アレルギー。」

「泣いてるんじゃ・・・。」

「無い・・・ですね。」


一気に顔が赤くなる宍戸。
あっという声と共に背中に回していた手をはなした。


「わ、悪ぃ!!!」

「ううん・・・。」


暫しの間2人に流れる沈黙。
先に口を開いたのは宍戸だった。


「あの・・・さ。そういうわけ・・・だから。」

「そういうわけって・・・?」

「いや、俺が・・・その・・・。」

「うん。」

「お前を・・・す、好きだ・・・ってこと。」

「うん・・・。あ、あたしも・・・だよ?」

「・・・え?」

「あたしも・・・宍戸が・・・うん。」

「じゃあ・・・俺達・・・。」

「両想い・・・。」

「・・・だな。あー、えーと・・・これから宜しく。」

「不束か者ですがこちらこそ・・・。」


互いに何を言ったら良いのか分からず、ただ顔を赤らめるだけのあたし達。
その時、宍戸を探す鳳くんの声が聞こえた。


「帰るか。」

「鳳くんは・・・?」

「いいんだよ。・・・ほら、さっさと行こうぜ。」


うつむきながら手を差し出してくる宍戸の手をギュッと握り、あたし達は歩き出した。















「し、宍戸さん・・・!!」

「そっとしといてやれや鳳。あいつにやっと来た春なんやで?」

「羨まCー!!」

「うわーん!!!」

「おい!!どこ行くんだよ鳳!!」

「・・・あかんな。相当ショック受けとるわ。」

「夕陽に向かって走っていったぜ?」

「長太郎もせいしゅーん。」




夕陽に向かって走り出した姿を目撃されたその日から、彼のあだ名がどうなったかはまた別のお話。












ごめんなさい(早速謝る)
季節外れにもほどがあるっつー話ですな。
時代先取り、バン☆みたいな感じでしょうか・・・?(殴)
煮るなり焼くなり好きにしてやってください。
それではこれからも相互サイト様として、同じ学校として、宜しくお願いします(*ーー)