「なぁ、侑士・・・」
「なんや、がっくん」
「こーゆーのってよ、普通女の子同士でやるもんじゃね?」
「今、それは言わんとき・・・」
みんな愛のせい・・・ね?
部活終了後、予てからの計画を実行しようとみんなに声をかけた。
「じゃあ、今日はみんな景吾の家に集合ね!!」
シャワー終わって出て来た景吾が眉間に皺を寄せて恐い顔をしている。
「何で俺様の家に集合なんだよ…」
「だって、明日ガッコも部活も休みでしょ?」
「だからって跡部の家に集合せんかて…」
明らかにめんどくさいオーラを出してる侑士をキッと睨みつける。
「良いの!! だってみんなとパジャマパーティーしたいんだもん!!!」
私の発言に、レギュラー陣が固まる。
な、何かおかしな事言ったっけ・・・(汗
「「「「「「「「パジャマパーティー??」」」」」」」
全員に聞き返されて、黙ったままコクコクと頷く。
「はっ 何でそんなもの」
「激ダサ」
予想通りの冷たい反応は、景吾と亮。
「する〜!! 俺、とパジャマパーティーする!!」
一人乗り気なのは、ジロちゃん。
「とにかく、みんなパジャマ持って、景吾のうちに集合ね!!」
「仕方ねーな」
溜息と一緒に諦めた感じの景吾。
「全員の家回ってから帰ればいいんだろうが」
「あのね、コンビニにも寄って欲しいんだけど・・・」
「何でコンビニなんか」
「だって、パジャマパーティーにはお菓子いるでしょ?」
お菓子という単語に反応したジロちゃんとがっくんの口添えもあって、コンビニに寄る事決定。
嫌がる亮とピヨも引きずって、景吾の迎えに来ていた車に乗り込む。
全員の家を回って景吾のお家に着くと、豪華な夕食が待っていた。
お腹いっぱい食べて、広〜いお風呂に入って。
持ってきたパジャマに着替えると、景吾の部屋に向う。
途中、お茶を持ったメイドさんと一緒になって
「皆さん、もうお揃いみたいですよ」
と、教えられた。
みんなのパジャマ姿楽しみよねーvv
ばっちり写メ撮っとこ♪
景吾のお部屋のドアを開けると、全員が揃っていてそれぞれに寛いでいた。
「のパジャマ、可愛E−vv」
普段なら絶対寝てると思われるジロちゃんが、元気いっぱいで起きてる。
「ジロちゃんのひつじさんも可愛いvv」
ひつじの着ぐるみっぽいパジャマのジロちゃん。
手にはムースポッキー持ってて、ピロリンって迷わず撮っておいた。
「お前ら、入り口で何してんだよ」
不機嫌そうな声は亮で、見ると普通のTシャツに短パン。
「亮、つまんなーい」
「宍戸、つまんなーい」
ジロちゃんと二人でそう言うと、亮は真っ赤になって怒ってた(笑
「今日はパジャマパーティーって言ったのにぃ」
「俺はずっとこれで寝てんだよ」
「まぁまぁ、もジローも許してやり」
亮のフォローに来た侑士を見て、すかさず携帯を構えた。
シンプルな濃紺のパジャマなんだけど、メガネを外した顔とまだ少し濡れてる髪がセクシー!!
「早くお菓子食ぉーぜ」
テーブルにお茶をセットしてくれていたメイドさんの後ろから、飛んでるがっくん発見。
「がっくん、可愛いーー!!!」
黄色ベースで、リラックマのプリントがされたパジャマがちっちゃい子みたいで○
「くそくそ、笑うなよ」
パジャマは弟のを借りてきたんであって自分のじゃないって、必死に言い訳してるがっくん。
その姿も可愛くて、きちんとカメラに収めた。
甚平姿のピヨはなんだか大人っぽくて、側にいるがっくんとの差がまた笑える。
「あれ? 景吾と樺地は?」
白の多分シルクだと思われるパジャマに身を包んだチョタに聞く。
「跡部部長なら、あそこに・・・」
指差された方を見て、思わず見なかった事にしようと思った自分がいた。
そこにいたのは、例えるなら 「変な人」
薄紫のベースに真紅のバラの散ったシルクのローブを纏い、ティーカップを傾けている。
ウチの部長様のお姿・・・
隣に控えている樺地の普通の黒のパジャマが新鮮に見える。
全員でお菓子食べながら、亮の恋バナとかを突いてみたり。
亮は赤面しながら、直ぐムキになるから突くと面白いんだよね。
ジロちゃんはいつの間にか寝てたみたい。
景吾のベッドで丸くなって寝るひつじさん、サイコーb
騒がしい景吾の部屋から、バルコニーの方にこっそり移動する。
冷たい風が頬に当たって、部屋の中の喧騒とは違う空気が心地いい。
「、疲れてしもぉたん?」
振り返ると、コップを持った侑士がいた。
はいっと渡されたコップを受け取る。
冷たいお茶が入ってて、こういう気配りが出来るから侑士モテるんだよなーとか思っちゃった。
「ココ、気持ちえぇな」
「でしょ?」
隣に立ち、一緒に少しだけライトアップされた景吾の家のお庭を眺める。
綺麗な月明かりが、侑士を照らしていた。
「そのパジャマ、可愛いで」
「ありがと」
私を見つめる侑士の視線に、顔がだんだん赤くなってくる。
伊達って知ってるけど、メガネのない侑士を見る機会ってほんとに少ないし。
「出来れば、それ脱がすんわ俺だけにしとってな?」
艶っぽく口元に笑みを湛え、掠めるようにキスされた。
「今度は二人だけで、パジャマパーティーしよなvv」
思わぬ告白?に、ただ真っ赤になって俯く。
優しく抱き締められて、侑士の匂いに包まれて。
「「「あぁーーー、お前ら何やってんだよ!!」」」
部屋の中から出てきた、景吾や亮たちに侑士はいつもどおりの笑みを見せて
「は俺んやから、手ぇ出したらあかんで」
ちょっとドスの聞いた声で宣言してた。
「お前の思い通りにはさせねー」
「奪い取ってやるぜ」
「くそくそ、侑士。ずりーぞ!!」
「忍足先輩、抜け駆けは許しませんよ?」
「下克上だ」
「ウス」
みんなが口々にそう言ってるのに、侑士は私を後ろから抱き締めたまま、悠然としていた。
翌月曜日の放課後。
「おい、なんでこんな写真が学校中に出回ってるんだ?」
ご立腹気味の一同。
バンッとテーブルの上に置かれたのは、パジャマパーティーの時のみんなの写真。
へらっと笑って、誤魔化してみる。
「一番人気は侑士とジロちゃんなんだけど・・・」
「何で俺様じゃねーんだ」
(そりゃ、こんなパジャマじゃみんな引くよな・・・)
「それで、何でなん?」
優しく侑士に聞かれて、思わず
「お小遣いが、ちょっと足りなくて・・・」
と、本当の事を素直に白状したら、亮の鉄拳が頭上に落とされた。
「ひどい!! 写真撮ったのはただみんなが好きだったからなのに」
あまりの痛さにちょっと涙目。
それを見て、怒ってたみんなも何とか怒りを抑えてくれたみたい。
なんだかんだ言っても、みんな優しいんだもんね。
そして、いい事を思いついて、ポンッと手を叩いた。
「そうだ!! 今度は仮装パーティーしようね♪」
end
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
花芽さま、HP開設記念に捧げます。
リクは侑士ということだったんですが、逆ハになっちゃいました。
こんなのでもいーですか!?
お気に召さなければ書き直しますので言ってください(汗
べ様の扱い、酷いですよね;;
こんなですが、感想などありましたら是非!!
ひやぁ!!!
花衣さんからHP開設記念に頂いた素敵夢です!!
格好良すぎてどうしよう・・・。
本当にありがとうございます!!
花衣さんの素敵サイトには、リンクからどぞ^^