Birthday March♪






こんにちは!
氷帝学園中等部男子テニス部マネージャーのです。

いつものように一番最後に部室に到着したわけなんですが、
到着したわけなんですが…。


部室のドアになんか張り紙がしてあります。

何これ。


のみ立ち入り禁止』


確実に跡部の字ね。

ん?このミミズのはったような字は誰の字?


「『入ったら血祭りにあげるで』」


バンッ ←思いっきりドアを叩く音。



「おーしーたりー。」


! ドア思いっきり叩くなよ、ドアが開かねぇ!!」


「ねぇ、跡部。あたし部活やりたいの! 開けてよ!」


「部活やりたいって、いつもマネージャー仕事サボってんじゃねぇかよ。」


「先輩、洗濯物がくさいんですけど。」


くっそー、いつもなら入るなりウエスタンラリアット決めてくるくせに。



「先輩。」


「ちょた…?」


ドアからちょたの心優しく可愛い声がする。

天使だよ。

きっと、いや絶対…きっとドアを開けてくれるはず。

きっと。



「みんな先輩がいると邪魔なんですよ。」


……。

笑顔でさらりと酷いこと言うなー。

ちょたってこんなに酷かったけ?

もっと優しくなかったけ?



「もういいよ!! テニス部なんて知らない!! 忍足の腐れ眼鏡!!」


「なんで俺なん?」














そういって走ってきたのはいいんですが…ね?

完全に迷いました。


確かにあたしはこの学校に3年間いますよ。

悪いのはあたしじゃなくてこの広すぎる校舎だと思います。


無駄に広くしすぎよ、この学校。


せっかくかえってドラマの再放送見ようと思ったのに。


全部テニス部のせいだ!
全部跡部のせいだ!


「どーしよー。」


ひ、ひとまず適当に歩こう。

もしかしたら出口に辿りつけるかもしれない。

職員室につけるかもしれない。


退部届けが貰えるかもしれない。







あれからきっと数時間がたったとおもう。


いっこうに出口が見えてきません。

あたしの人生にも出口がなさそうだよ…。



「あー、もうあっついなー。とろけちゃう。」


「いや、とけちゃダメだろ!」




…びっくりした。

通りすがりの人がつっこんだよ。


今度お友達になろう。

まず学年と組を聞いて、それからお話をしよう。ウン。


………。


「え、ちょっとまって!」


そんなこと考えてる場合じゃないって!

さっきの人に道を聞かなきゃ…あれ?いない。
歩くの早いよ。


また振り出しに戻ってしまった。


あたしは何が好きでこんな場所にいるのよ。


周りを見渡す。



やっぱり廊下だ。
どこでもドアが落ちてるとか、通り抜けフープがあるとか、そんな夢を見ていた自分がいたよ。

窓と壁しかないや…。


ん?窓?



「最初からこうしてればいいんじゃないのよ。」


窓枠に足をかけて外に出ようとする。


、なにやってんの?」


「ガックン…?」


なんでここにいるの?

部活やってるんじゃ…。


「はっ、近寄らないで! それ以上近寄るとここから飛び降りるわよ!!」


「飛び降りるって、ここ一階だぞ。」


「うっ。」


そうですね、冷静なつっこみありがとうございます。

もっとのってくれたっていいじゃん。



「しかもその窓、開かないぞ。」


「うそ!あまりにも開かないからこじ開けちゃったよ。」


「おい…。あ、そうだ、ちょっとこい。」


「へ?なんで?ちょ、さわらないでよ! どーせあたしはテニス部のお荷物なんでしょ!!」


「は?誰がそんなこと言った?被害妄想もほどほどにしろよ。」



無理やり連れてこられたのは部室の前。


なんでガックンは迷わずに部室まで来れるの?
天才?
氷帝の天才っ子ですか?


てかなんで部室?
あたしてっきりあの伝説の木の下で告白されるかと思ったのに。


「いいか?俺が入っていいぞって言うまで入ってくんなよ!」


「う、うん。」


そう言ってガックンは部室の中に入って行った。



はっ、まさかこのままあたしを中に入れさせない気じゃ…。

そんなこと絶対させない!!




ダンダンダン



「な、なんだよ急に。びっくりするじゃねぇか!」


「どーせあたしを中に入れさせないって魂胆なんでしょ! いじめじゃない、責任者出せ!!」

「はぁ…、いいから入ってこい。」


上等! ここで全員殴ってあげるわ。

…やっぱダメ。


上等! ここでガックンとちょたと宍戸とピヨとジロちゃんと滝と樺地以外全員…


あれ?これじゃあもう跡部と忍足しか残ってないじゃないの。

まぁいいわ。

とにかくデコピン一発でもいいからしたい。



ガチャ




パーン


「へ?」




「「「「Happy Birthday!! To!」」」」



「た、誕生日…?あれ?今日23日だっけ?」



「俺様にぬかりはねぇ。…多分。」



跡部もちょっと心配なんだ…。



「今日は23日だよ。違ってたとしても無理やり23日ってことにしとけばいいしね。を22日生まれにしちゃうとか。」


「あたしの誕生日変えないでよ。」



そっか、今日あたしの誕生日だったのか。

だからみんなあたしに隠してたのね。


あたし何気に愛されてるかも。


そんなことも知らないであたしってば一人で勝手にテニス部を酷く言って…。


テニス部って良い人の集まりじゃん。




……ちょっとまって。これってベタすぎない?


ベタベタのオチで終わりだよこれ。



の誕生日が今日だって知ったの今日だったから、俺らからのプレゼントは一つしかないけど。」



「受け取りや。」


どうやら渡す人の代表者は跡部らしいです。ちょた希望!!


「ほらよ。」


跡部が差し出したのは10本のバラの花束。



「部員数の200本でもよかったんだが手配が出来なくてな。」


まぁ、200本貰っても逆にありがたみが薄れるとお思いますね。


「レギュラー分しかやれねぇが勘弁してくれ。」



「レギュラーって10人もいたっけ?」


「榊監督と滝と日吉の分だ。」



「あぁ。…貰っておこう。」



バラにはカードがついていた。


『Happy Birthday To これからも俺様のために働け。』


ブッチン



「なんであんたのために働かなきゃいけないのよ!」


「アーン?テニス部の部長は誰だ、言ってみろ。俺様だ。テニス部の下で働くってのは俺様の下で働くも同然なんだよ!」


この後部室で大乱闘が起こり、次の日校庭を100周しました。



なんだかんだ言いながらもテニス部が好きな自分がいる。


おわり










あとがき

花芽さんに捧げます。こんな駄文でよければもらってください。
お誕生日おめでとうございます。












琴羽さんから誕生日夢頂きました!!
氷帝ALLギャグですよ。あたしの大好き分野ですよ。
いつも琴羽さんには笑わせてもらってます!!本当にありがとうございました^^