「うわぁ、大っきい学校。」


監督からもらった地図に従順に従いやってきたこの学校。
まぁ、途中足の小指がつるという地味なハプニングはありましたけども、何とか校門まで無事にたどり着けた自分に拍手喝采を送ってあげたいですね!!

「何て読むんだろ・・・立つ海?海軍養成学校とかかな?」

ちょっと期待に胸を躍らせつつ、スゥーと大きく息を吸い込んで門をくぐる。
お決まりのパターンで迷っちゃったりするのかな?とか思いましたが、テニスコートはすぐ近くにあったので、この難問もクリア。
でも人が多い。どうやら、丁度部活開始時刻のようです。


「お前何してんの?」








What a Tired Day 1


















何 か 出 た。

















「だ、だ、だ・・・。」

「だ?」

「だ、大根の葉っぱってベーコンと一緒に炒めると美味しいですよねー?」

「は?」



相手を錯乱状態に陥らせることに成功。
このまま逃げ切ろうと思ったら、思わぬ反撃をくらいました。




「バカ。大根の葉っぱの基本は七草粥だろぃ!?」

「七草粥よりはベーコン炒めの方が美味しいよ?」

「お前何にも分かってねーよ!!」

「じゃぁ何だ。君は大根の葉の何をしってるんだ、ぇえ!?」

「味だよ味。」

「そんなんあたしでも知っとるわー!!」



「ブン太先輩ー!!何してんスか?」

「おう赤也。何かコイツがよ・・・。」

「氷帝の制服じゃん。あんた誰?」

「名も無き愛の戦士。さよなら少年達。」


ズベシャァッ



・・・いつか使いたかった台詞を言って、華麗に立ち去ろうとしたあたしは素晴らしい勢いでコケました。
えぇ、もう恥ずかしさとか吹っ飛ぶ転び方です。


「・・・大丈夫か?」

「・・・ボス。こういうときは愛の戦士といえど、涙を見せていいんでしょうか?」

「ほら、膝血出てるから洗ってきた方がいいんじゃねーの?」

「・・・はい。」

「歩けるか?」

「う、うん。って痛ぁっ!!」

ズベシャァッ


「ブン太先輩、こいつ頭おかしくないっスか?」

俺はこいつが登場してからずっとそう思ってた。こんなに血出てんのに無理して歩こうとするからだろぃ?」

「ごめんなさい。」

「しょうがねーな。ほいっと。」

「え・・・?」


フワッという感覚がして、あたしの体が宙に舞い上がった。
ーと思ったのも束の間、あたしは誰かの腕にかかえられていて・・・。


「え・・・ちょっと・・・いやー、けだものー!!!

「わ!!暴れんなよ!!」

「これは俗に言うお姫様抱っこですか!?おろせー!!」

「ブン太先輩、肩にかつがれたいんじゃないっスか?」

「そうなの?じゃぁ天才的に・・・。」

「そんなこと言ってません。」

「じゃぁ大人しくしとけよ。これ以上こけられたらこっちが困るぜぃ。」

「あれー?ブン太先輩優しいっスねー?」

「え・・・赤髪の少年あたしのこと「ちょっと黙っとけ。」

「テニスコートあたりでウロウロしてたってことは、氷帝からのスパイだろぃ?逃げられても困るから幸村んとこ連れてく。」

「あーそうっスね。」

「天才的だろぃ?」


そのままテニスコートの中へと入っていく彼ら。と強制的にあたし。
入った途端帽子をかぶった人の怒鳴り声が響きわたりました。

「な、な、何やっとるかお前らー!!!」

その声で、テニスコートの中の視線があたし達にふりそそがれます。
あたし超モテモテじゃね!?
これなら乙女の夢逆ハーレムも夢ではないかもしれません。


「落ち着け弦一郎。何か訳があるのだろう。」

「フフ。女の子をお姫様抱っこして登場とはいいご身分だね?」

「おや、怪我をしているようですね。」

「赤也、まさか女の子にまで手を・・・!!」

「ち、違うっスよ!!こいつが勝手に2回もこけただけ!!」

「痛そうですね。私が手当てしますからどうぞこちらへ。」


そうすると、赤髪の彼は、あたしをベンチの上におろしました。こいつも所詮テニス部だから、優しさ皆無でドンとあたしを落とすのかと思いました。
ところがどっこい。
ものっそ丁寧にあたしをベンチの上に座らせてくれました・・・!!
何だろうこの気持ちは。
氷帝テニス部の素行が悪すぎるからって、他のテニス部の方々まで疑っては失礼ですよね。
あたし間違ってたようです。
ていうか寧ろ間違ってるのは、あたしにそこまで思わせる氷帝の奴らの性格の悪さですよね。

心が順調に汚染されてるようで、あたしの胸のピンクの薔薇が枯れかけてます。
・・・いけませんぞー。乙女たるものそんなことは許されません。
華麗にピンクの薔薇を咲かせてこそ、一人前の乙女と認められるのです。


「聞いてますか?」

「え、ミジンコって漢字だと微塵子って書くんだよって話ですよね?

「そんなこと言っとらんじゃろ。」

「どこをどう聞き間違えたんですか。」

「だからお前は何の目的でウチに来たんじゃ?」

「え?あぁ、そうだったそうだった。」


ようやく本来の目的に気付き、ずっと抱えていた茶封筒を差し出すあたし。

「監督さんいる?」

「今日は出張ですよ。」

「ぇえ!?・・・わざわざやってきたのに。」

「でも部長なら、ほら・・・。」

恐る恐る眼鏡をかけたインテリ風の彼が指差した先には、さきほど出会った赤髪とワカメ頭が絶望を具象化したような顔で事情聴取を受けていた。
・・・ちょっとずつ分かってきたぞー?


「・・・あれが部長さん?」

黙ってうなづく者数名。

あの方に差し出せってことですか。
でも、あの人の周りははたから見てもズバッと分かるくらいドス黒い雰囲気が漂っている。

、早速ピンチです。













短く、そして名前変換が最後しか出てこないという・・・ね。
まぁあれです。皆さんの予想通り立海お出かけです。
感想などありましたら是非^^