先輩、明日っスね。」

「え・・・・・・・う、うん。」

「何スかその間。まさか・・・。」

「え?間なんかないよー!!うん、明日ね。明日の放課後ね!!」

「楽しみにしてますよー!!」








クモリのちハレ







あたしの彼氏、切原赤也は強豪と謳われている立海テニス部で2年生エース。
幼馴染みの雅治を通して知り合った。
中々順調・・・だと自分では思ってるんだけど、早速ピンチです。
明日って何だろう。


家まで送ってくれた赤也と別れ、家に入ったあたしは、ただいまをいうでもなく鞄の中から手帳を取り出し、ペラペラとお目当てのページを開いた。

「・・・書いてない。」

絶望と共に玄関にうちひしがれるあたし。

「誕生日?いや、9月25日って言ってたし・・・。
あたしの誕生日・・・?なわけないか。憲法記念日・・・何の関係もない!!」

あーでもないこーでもないとブツブツ呟くあたしを見て、お母さんは大きく1つ溜め息をついた。










「ジャッカルさん、ジャッカルさん。」

あたしは、朝練から帰ってきたジャッカルを待ち伏せして、教室の隅に呼び込んだ。

「どうしたんだよ。」

「おはようございます。御勤めご苦労様です。」

「おはよ。で、どうしたんだ?」

「突然クイズ。」

「は?」

「今日は何の日でしょうか。」

「今日・・・?」

暫く考えるそぶりを見せた後、ジャッカルは分からないと首を横にふった。
ごめんなと謝ってくれるジャッカルは、やっぱり優しいなぁと思った。




さぁ。
授業中も休み時間も必死で考えたのに、今日が何の日かは結局分からなくて。
休み時間には赤也からメールが来て、「放課後何処集合にしますか?」って。
曖昧に返事をしたら、あっという間に放課後に。
腹が立つ程タイミングよく、今日はテニス部の練習は休みらしい。




先輩!!」

「・・・来ちゃった。」

「え?何か言いましたか?」

「・・・言ってないです。」

「そうっスか?じゃあ行きましょ!!」

「う、うん。」

「・・・どうしたんスか?何か今日元気ないっス よ?」

「えーと・・・。」

言うか言わまいか。色々な考えが頭の中をグルグル回る。

「・・・ごめん!!」

「え?」

「昨日からね、ずっと考えてたんだけど、ジャッカルに聞いてみたりもしたんだけど、結局・・・今日が何の日か分からなくて・・・。」

「何の日って・・・今日何かの日だったんスか!?」

「・・・違うの?」

「いや、俺は知らないっスけど・・・。」

「だって赤也、明日っスねって・・・。」

「それは仁王先輩が・・・。」

「仁王!?雅治が何か言ったの!?」

先輩が俺の為に何かいいことしてくれるって・・・。え!?あれ嘘だったんスか!?」

「嘘に決まってるじゃない!!よーし、ちょっと来て赤也。 雅治をとっちめてこよう!!」

「え、ちょ、先輩!!」









「雅治ー!!!」

「何じゃ煩いのぅ。その様子じゃとバレたんか?」

「随分と腹の立つ嘘ついてくれたじゃない。」

「お前さん達マンネリ化してきたいうとったじゃろ。」

「そんなこと言った覚えないっスよ!!」

「雰囲気で分かるんじゃ。俺が手助けしてやろうとしとるのに。」

「余計なお世話!!」

「酷いじゃないっスか仁王先輩!!俺すっげー楽しみにしてたのに!!」

「ていうか赤也!!雅治の言うこといちいち信じるなって言ったじゃない。」

「そんなこと言ったって・・・。」

「揉めとるようだし、ここで俺から提案じゃ。」

「誰のせいだと思ってんのよ。」

「つまり。俺の言った事が嘘じゃなきゃいいんじゃろ?」

「・・・どういうこと?」

が赤也にいい事してやればいいだけじゃ。」

「ちょ、何その無理矢理n「すげー!!仁王先輩超頭良いじゃないっスか!!」

・・・何故お前はそこで目を輝かせる。

「まぁ伊達に詐欺師と呼ばれてないからの。じゃあ俺は邪魔者じゃき、退散するか。」

そう言うが早いか雅治はこの場を後にした。
・・・残されたのは、被害者2人。

「・・・誤解って分かった訳だし、今日はもう帰ろっか。」

「俺まだいい事して貰ってないっスよ?」

「・・・あたし今朝寝坊してお財布忘れたから、たかろうとしても無駄だよ?」

「そんなこと期待してませんよ!!」

「じゃあ何?」

「目瞑って?」

「な、何!?まさかあたしが目を瞑ってるうちに顔に悪戯で・・・も・・・・・?」

「・・・目空けていいっスよ。」

「今何を・・・?」

「俺なりのいい事っス。」

ニカッと笑ってそういう赤也を怒る気にもなれなくて。

何だか胸がいっぱいで。


あたしにとってもいい事だったのかな?なんて心の片隅で思っちゃったことは。

悔しいから秘密にしておこう。













遅れてすいません!!!(土下座)
散々待たせた挙句こんな品・・・。
もう何と言ったら良いやら(半ベソ)

こんなどうしよもない女ですが、サイト共々今後も宜しくお願いします!!!